令和5年のPC98の電解コンデンサ交換以外の故障事例
(そもそも故障事例というのか疑問ではあります)
このPC-9821Npは全ての電解コンデンサを交換済みです。特に問題となってくるのは、液晶側の電解コンデンサとなります。とても大変な作業となります。この部分については、twitter上で複数の方がつぶやいておられますので割愛させていただきます。まず、下の画像を2枚をご覧ください。
こちらは不具合の出ている画面です。
こちらは不具合が出ていない画面となります。
これは何が原因だと思いますか?マザーボードを眺めてみましょう
この部分は問題がないようです。
今回の故障はこの基板の部分となります。まず、赤い矢印のゴムパーツもご注意ください。こちら経年劣化でドロドロに溶けてしまうという事例が多数報告されています。
話を元に戻します。これは不具合の出ていない画面の部品となります。
HM538123BJ-7 このパーツはVRAMとなります。データシートは下記リンクへ
HM538123BJ-7 データシート(PDF) - Hitachi Semiconductor
下記画像の2枚の画像の赤い矢印をご覧ください。変色というか焼けているように見えると思います。故障基板にはKM428C128J-6というパーツが使われていました。こちらも上記画像と同様にVRAMのようですが、データシートは見つかりませんでした。
PC-9821Npは複数の基板を接合しています。これが原因で動作しないという事もあるのですが、今回に限っては基板が複数枚に分離されていたことが、故障の原因を特定する事が出来ました。
(余談)
ここで記事として取り上げた理由なのですが、電解コンデンサを交換しても動作しないレトロPCがあるという事と、修理済みの本体とは別にマザーボードを+1セットは所有しておいた方が故障の原因を特定しやすく長く使用できる可能性が残されています。実機の実年齢を考えますと、あとどの位の期間動作可能なのかは不明です。末永く動作して欲しいですね。